この記事の所要時間: 約 3分11秒
謎の白い手

私の家を担当エリアにしているヤ○ト運輸のドライバーさんに教えてもらいました。このドライバーさんが入社した頃の話です。ヤ○ト運輸の受け持ちエリアは比較的にまとまっていて慣れるのは早かったのですが引き継ぎの時に先輩から妙な注意を受けました。
○丁目の○さん” 宛ての荷物は日が暮れてからは絶対に届けてはいけない
という、ヤ○ト運輸としてはかなり奇妙に思えるものだったそうです。新人のドライバーさんは順調に日々の業務をこなしていてその家宛ての荷物に当たったのは、引き継いでからほぼ2ヶ月目の事でした。夕方で薄暗くなってはいましたがまだ日が暮れるというほどでもなかったのでその家に届けに行きました。
玄関から呼びかけると家の中から勝手口の方へ回ってくれという声がしたそうです。家の裏口へ廻ると戸口がほんの少しだけ空いて中から細くて白い手が出てきて荷物と送り状を受け取り、無言でハンコを押した送り状を返してきたそうです。

無愛想な人やなぁ
と思いましたが気にせずに、挨拶だけしてさっさとその家を後にしました。次の日その家の向かいにある家に荷物を届けたところ、こちらの方は話好きのようでその家の奥さんが

昨日、お向かいに入って行ってたけど何やったん?
え、お届け物を届けたんですけど?


えぇ〜、そんなはずないわぁ。あの家、去年一家心中をした家やで。誰も住んでへんのに、お届け物ってそんな……
えぇ! でも、ちゃんと受け取りのハンコ、もらいましたよ。怖いなぁ

とか何とか言いながら荷物を渡してハンコをもらって外に出たもののさすがに気になりました。帰る時に、その家を垣根越しに覗いて見たそうですが昨日荷物を届けた時とは家や庭の印象が違っていて、とても人が住んでいる家のようには見えなかったそうです。

ん? こんな時間に誰だろう……。
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